Mocha+(モカプラス)は、デジタルカタログやチラシを配信するアプリケーション。アプリをダウンロードすると様々な商品のカタログを検索できる。スーパーマーケットの本日のお買い得品から、インテリアで有名なIKEAの今季カタログまでと実に幅広い。独自の「ストアマップ機能」を使うことで、自分の欲しい商品名を検索するだけで最寄りの販売店舗を見つけ、在庫を問い合わせることも可能だ。
ーMocha+について教えて下さい。
株式会社Zeekamoreが運営するサービスの一つで、日用品から電子機器までさまざまな商品をデジタルカタログやチラシなどで閲覧出来るアプリケーションです。従来、このような媒体は主に紙が使用されていましたが、紙媒体だと効果測定が難しい上、印刷費用などのコストがかかるといった問題があります。そういった問題を解決して、より効果的に製品などの宣伝活動を行うことに着眼点を置いたのが、このMocha+というサービスです。また消費者にとってもメリットは多く、一度ダウンロードしたカタログやチラシは、アプリを使用することでオフラインでいつでもどこでも閲覧が可能となります。さらに、自動的に最新情報にアップデートされるので、ユーザーは時期ごとに発行されるカタログを問い合わせする手間が省け、常に最新の製品情報を確認することができます。
ー具体的に、企業に向けてどの様なサービスを提供しているのでしょうか?
企業に対しては、ただ製品の情報を掲載するだけではなく、Webマーケティングに関する様々なデータや分析結果の提供及び専用チャンネルの製作などを行っています。具体的にMocha+を使用することで、消費者の購買に至る行動過程を記録することができます。細部に渡る細かい行動がデータとして記録されるので、企業側はより正確な消費者行動の分析が行えます。例えば、特定の製品が特に売れる時期や時間帯の比較から地域ごとの売れ筋商品の分析やといった事が簡単に行えます。また、自社ブランドの専用チャンネル製作も可能です。これは、コーポレイトアイデンティティーやデザインなどの相談を含め、平均14日以内で製作することができます。
ービジネスモデルとマネタイズに関してはどのように行っていますか?
現在はサービスのカタログ、チラシなどの掲載といった企業のコンテンツを増やすことに注力しているので、B2Bのビジネスモデルを展開しています。媒体掲載やデータ分析といった機能を企業に提供して収益を得る様な構造ですね。しかし、今後はB2B2Cのビジネスモデルに転換していくことを考えています。例えば、Mocha+がクライアント企業に代わって、製品を売買できるe−Commerceの様なプラットフォームを消費者向けに提供できるようにしていきたいですね。
(左から)Tanapol Nearunchorn - Podsapoom Buatun - Pongsatorn Pipattham - Phasin Boonperm
もうひとりのco-FunderであるPakpoom Yimsukananは今回不在だが合計5人で運営している。
ーMocha+のアイディアはどの様な経緯で生み出されたのでしょうか?
現在5人のメンバーで運営してるのですが、実は全員大学時代からの知り合いでコンピューターエンジニアリングを学んでいました。
Mocha+のデジタルカタログやチラシにフォーカスをしたアイディアは、大学の卒業制作としてメディア関連のデジタルプラットフォームを制作したことから着想を得ました。その際に、一般消費者の購買活動をより快適にするシステムを自分たちで作ることは出来ないだろうか?といったことをメンバー内で考えたところ、アナログな手法を使っているローカルビジネスをデジタル化させることでこの課題は解決できるのではないか?という結論に至り、
Mocha+のビジネスプランが生み出されました。
ー現状として、タイにおけるデジタルカタログやチラシなどの普及率についてどう考えますか?
欧米諸国や日本と比較すると、タイではまだまだデジタルカタログやチラシの普及率は低いですね。その理由として、未だにローカルビジネスで成り立っている側面が非常に強いことが挙げられます。そういった場所ではWebを使用したマーケティングのノウハウが知られていない傾向が強いので、製品自体の質は良くても、表面化せず埋もれてしまう問題が起きています。こういったローカルビジネスに対しても、積極的にオンラインを使ったマーケティングのノウハウを提供していきたいと考えています。また、時代の流れという側面もあると考えていて、現在はやはり紙ベースの媒体の方が主流ですが、今後少しずつその流れは変化していくと考えています。より優れた技術が導入され、紙のデジタル移行が簡単に出来るようになれば紙媒体のデジタル化の流れはより加速していくと考えています。
ー今後Mocha+を東南アジアの市場にどのように拡大していこうと考えていますか?
現在はタイでの基盤を固めている段階ですが、今後フィリピンやインドネシアなどの市場にビジネスを拡大することも考えています。理由としては、これらの国もタイと似て、ローカルビジネスが非常に多いという特徴があるからです。また、徐々にオフライン主流型のビジネスからオンライン主流型ビジネスへ転換し始めている時期でもあるので、必ず需要が増えていくと思います。