ここ数年でめまぐるしい変化を遂げたタイのスタートアップ。しかし「女性起業家」の存在は未だに珍しい。今回インタビューするNikki Assavathorn氏は女性起業家であるにも関わらず、複数の会社を立ち上げ運営しているシリアルアントレプレナーだ。輝かしいキャリアを積んできた経営者でもあり、同時に一児の母でもあるNikki氏。仕事と育児の両立、そしてこれまでのキャリアについて語って頂いた。
ーInfinityLevelsを始める前はどんなことをしていたのでしょうか?
実は、スタートアップを始める前は化学製品を取り扱う企業でコンサルタントとして働いていました。そして、25歳の時に会社を辞めて独立を決意しました。独立後はMeetNLunch、iSelectdating、Available datingという複数のデートアプリケーションを同時に運営していました。そして今から2年前の32歳の時にInfinity Levelsを立ち上げました。現在も、会社は別々ですがそちらも同時に運営しており、これまでに合計4社のスタートアップを立ち上げました。
ーなぜゲーム業界に転換をしたのでしょうか?
デート系のサービスは確かに需要がある業界なのですが、アプリケーション全体のランキングを見てみると、トップ20はゲームが常に占めているという現状がありました。更に、 ユーザー数や売り上げといった面で比較をするとデート産業よりも確実にモバイルゲーム産業の方が伸びしろがあると感じました。そういった要因から、ゲーム 産業に挑戦しようと決めました。実際、現在のモバイルゲームプロダクトにデートアプリのアイディアや技法が使われるていることが多々ありますね。
ーNikkiさんはまさしくシリアルアントレプレナーだと思うのですが、その原動力はなんですか?
自分のビジネスを「成功させ続けたい」という思いと、世の中の人たちの生活を変えるようなきっかけとなるサービスを創り出したいという思いですかね。現在、 業種が違う複数のスタートアップを運営していますが、ゲーム系のサービスはデート系サービスと違い、老若男女問わず様々なユーザーにサービスを広めること ができます。自分のプロダクトを通してそういった新しい発見や人々に影響を与えていると実感することが刺激となり大きな原動力になっています。
ー子育てと仕事のバランスはどのようにとっていますか?
私は今4歳になる子供がいますが、育児と起業家業をバランス良く両立させるのはやはりとても難しいです。なので、パートナーのサポートが必要不可欠ですね。 自分が置かれている現在の状況などをパートナーに伝え、お互いによく話し合った上で、自分が出来る事とパートナーに任せられる事をバランスを良く決めて物 事を進められるようにしています。本当に感謝しています。
ー今後タイにおけるスタートアップエコシステムはどのように変化していくとお考えですか?
昨年2014年はタイにおけるスタートアップ活動が活発だった年で、様々なプロダクトが生み出されました。なので、今年はそういったスタートアップたちがエ ンジェル投資家やVCから資金調達をする動きが多い年になると考えています。また、逆を言うと、より優れたプロダクトを持ったスタートアップでないと生き残れない、厳しい年になるとも考えています。
また、スタートアップ活動が活発になった背景として、大手通信会社によるスタートアップイ ンキュベータープログラムの促進、そしてOokbeeやWongnai、StockRadersといったタイ発のスタートアップが巨額の資金調達に成功し ているという背景があります。これだけ見るとタイ国内ではとても盛り上がっているように見えますが、このムーブメントを一過性にするのでなく持続させるた めには、国内だけでなく、国外の競合スタートアップを意識する必要が有ります。その為には、やはり高い技術力を育てあげる環境と優れた起業家スキルの育成 が重要ですね。実際タイでテック系スタートアップの動きが本格的に活発になったのは2012年頃からなので、日本や欧米と比べると技術力や環境がまだまだ 整っておらず、遅れをとっているのは間違いないです。なのでそういった先進的な技術をもつ国に対してどれだけアプローチ出来るか、今後重要になると思いますね。
ースタートアップにおける女性起業家の進出という点に関してはどう考えていますか?
タイに限らずどこの国もそうだと思うのですが、やはり起業家を性別という括りでみると、どうしても女性の割合は少なくなります。その理由として、この業界はより専門的な知識が必要とされるという点が背景にあると考えています。女性は問題を解決するためのアイディアを考え、提案するのが得意とい う特徴がありますが、テック系スタートアップでその特徴を活かすには、やはりプログラミングなどの専門的な知識を自らも理解する姿勢が必要不可欠です。例 えば、あるアイディアを実行するためにプログラマーに指示を出したい場合、それを実行するためにどれだけの時間がかかるのか、どういったタスクを処理する のか、という点を理解していないとより的確な指示は出せませんし、進捗管理もできません。私自身もプログラマーとより円滑なコミュニケーションをするため に自らコーディングなどを学びました。このように、自分の領域だけでなく、組織全体がうまく回るように行動していくのが起業家の役目だと考えています。もしかしたら性別はあまり関係ないかもしれませんね。
ー起業を志す人たちに向けて何かメッセージはありますか?
自分がやりたいと思ったことは出来る時にどんどん挑戦して欲しいですね。また、一度始めたことはなるべく最後までやり遂げて下さい。特に大学を 卒業した直後の若い世代に対して、失敗を恐れずに挑戦して欲しいと考えています。例え20代半ばで失敗してお金を失ったとしてもまだやり直しはききますし、努力をする為にお金を失う事は全然悪いことではありません。ただ、お金を稼ぐためだけに自分の人生を無駄にするようなことはしないで欲しいです。まずは、シンプルでもいいので自分のアイディアを形にすること。そしてそのプロダクトをブラッシュアップする為に色々な工夫を自ら考え、行動していける様になって欲しいです。
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