アプリひとつで手配・追跡・配達すべて確認可能なバイクメッセンジャー「Rushbike」 | Techsauce

アプリひとつで手配・追跡・配達すべて確認可能なバイクメッセンジャー「Rushbike」

Screen Shot 2015-04-06 at 7.11.58 PM 交通渋滞が社会問題となっているバンコク。車だけでなくバイクタクシーが交通手段のひとつとして重宝されています。Rushbikeはそんな特徴を活かしたバイクメッセンジャーサービス。一言でいうと「Uberをバイクメッセンジャーサービスにしたもの」で、手元にある荷物を今すぐ送り主へ届けたい!と言う方に最適なサービスです。

使い方は簡単。アプリケーションをダウンロードして、自分の電話番号、送り先住所などを入力します。入力後、簡単なお見積額、所要時間が表示されます。それに同意をするとコールセンターから電話がかかってきます。電話確認はオプションで無しにすることも可能です。荷物を配達人に渡した後は、アプリケーションから自分の荷物がどこにあるのかリアルタイム確認ができます。無事に届いたら「配達完了」を伝える電話がかかってきて、終わり!とてもシンプルなサービスです。

Rushbikeは3人の共同創業者によって作られています。今回はCTOとCMOにインタビューをしてきました。(※CEOのAnatoliy Glinin氏は今回出張のため不在。)

Rushbikeのサービス内容を教えてください。

  • CTO:Kobkrit Viriyayudhakorn氏(※以下K)
  • CMO:Natthapong Sasasmit氏(※以下N)

【K】Rushbikeはアプリケーションのみで荷物の手配から配送まで手配が完了するメッセンジャーサービスです。単に荷物を手配するだけでなく、日にち、時間、また複数の送り先に手配指定など細かい設定をすることもできます。取り扱い可能な商品は書類や小包から生鮮青果、お菓子など実に幅広いです。生鮮品を送りたい場合は弊社が用意する発砲スチロールボックスを利用することも可能です。お預かりできる荷物は、オートバイに乗せることが前提となるので、50kg以上になると手配をお断りする可能性があります。その場合は大型乗用車など別の手段で対応できるので、ご相談ください。

ーサービスの使い方を教えてください。

【K】まずRushbikeのアプリケーションをダウンロードします。次に住所などのフォームを入力する画面が出てきます。荷物をドライバーに受け渡す場所や時間、お届け先の住所と配送時間などを指定してください。これらを入力後、自動的に距離が算出され、お見積もり内容が表示されます。これに同意したら確認ボタンを押してください。すると弊社のコールセンターから確認電話がされるようになっています。そして荷物の受け渡し場所に最も近いドライバーが荷物を受け取りにやってくる、という仕組みになっています。

ー料金形態はどうなっていますか?

【N】基本的に距離によって値段は変わっていきます。基本利用料金として50バーツがかかります。そしてそこから5km毎に10バーツの料金が加算されるシステムになっています。ただし、30kmからは距離の金額に別途70バーツが加算されます。40kmーは160バーツ加算、50kmーは200バーツ加算、そして60kmー240バーツ加算というような料金システムになっています。

具体的にお伝えすると「(距離×10バーツ)+(初期利用料50バーツ+30km以降にかかる別途料金)=利用料金」という様な算出方法になります。しかし、値段に関しては、お届け先住所入力の時点で自動的にお見積もり額が出ますので、それをご参考にしてください。

ー支払方法はどのように行うのでしょうか?

【K】荷物の引き渡し時に直接支払うか、クレジット決済(Visa/master)もしくは銀行振替のいずれかとなっていますが、今後はセブンイレブンやファミリーマートなどのコンビニでの支払いにも対応していきます。

ー荷物の安全性と手配の確実性に関してはどのような取り組みを行っていますか?

【N】まず、ドライバーとは必ず対面での面接をして、身元の特定やRushbikeの配達人としてふさわしいか確認しています。それ以外にも弊社独自のシステムを使った「トラッキングサービス」があります。これは荷物を運ぶドライバーがどこにいるのか、GPS情報を使って追跡できるサービスです。リアルタイムで表示されるので、自分の荷物がいまどこにあるのか常に確認することができます。

ーなぜオートバイを手段としたメッセンジャーサービスをビジネスモデルにしたのでしょうか?

【N】タイは交通渋滞がひどく、特にバンコクの交通渋滞は深刻な社会問題となっています。そこで、車よりも身軽で、手軽に送り先まで届けてくれるバイクタクシーは重要な交通手段として乗客から重宝されています。しかし、バイクタクシードライバーの実情は厳しいもので、エリアごとに乗車可能なお客さんが分けられているため、1日の収入源が非常に限られているのです。また、仮にドライバーが現在地から10km離れた場所にひとりの顧客を送ることになった場合、行きは乗客がいるものの、帰り道はいない状況になります。つまり、収入となる対象が行きの乗客のみになるのです。

しかし、ここでRushbikeに登録していれば、帰り道についでに荷物を届けるなどしてバイクタクシー意外の収入を得ることができます。Rushbikeはドライバーの時間を効率的に運用することができ、さらにサイドビジネスを提供することが可能です。

さらに、今後需要がより増えていくであろうe−Commerceなどのロジスティックに対する課題に対しても効果的にアプローチできるサービスだと考えています。つまり、わたしたちのビジネスモデルは長期的な視野でみると、バンコク全体の交通渋滞の緩和、そしてロジスティックの整備という社会的な利点をも生み出すことができます。

オレンジ色のジャケットを着た3人が創業者。 (左から)CEO Anatoliy Glinin氏- CMO Natthapong Sasasmit氏- CTO Kobkrit Viriyayudhakorn氏

ーお二人はどのように出会って、Rushbikeを創業しようと決意したのですか?

【K】実は私たちは大学の同級生でした。卒業後はお互い違う道を歩みましたが、縁があって一緒にこのサービスを始めることになりました。私はタマサート大学でソフトウェア工学を学び、卒業後は博士を取るために北陸技術先端科学技術大学大学院に留学をしました。その間、アメリカの富士ゼロックスでインターンシップを行っていたのですが、そのまま研究者やコンサルタントといった道を目指さずに現在のスタートアップの道を選んだのは、アメリカのスタートアップカルチャーが根付いている場所でインターンシップをしたことが大きいですね。そこで自分で何かを作り出すことの素晴らしさを学び、そして社会全体に働きかけるものを創り出したいという思いが培われました。そして、現在のRushbikeのサービスと通してそれを実現しています。

【N】私はタマサート大学で計算機科学を学び、NECTECというタイ国立電子コンピュータ技術研究所に留学を経たのちにSIEMENSでエンジニアとして数年在籍しました。その後、社費留学でオランダのビジネススクールにMBAを取得にいきました。学生時代からテクノロジーを使うことでひとの生活をより過ごしやすく快適にする方法をずっと考えていました。なので、現在モーターサイクルのサービスを運営しているのもバンコクにおいて交通渋滞という問題はパーソナルなことではなく、多くの人々が共通認識する問題であると感じたからです。そしてその問題にアプローチできる最善策としてRushbikeのビジネスモデルに至りました。

Screen Shot 2015-04-08 at 11.45.09 AM

ー実際のところ、ASEAN+3ではすでに類似サービスが多く存在しますが、競合が多い市場で今後どのように他のサービスと差別化をはかっていこうと考えていますか?

【K】実際に、シンガポール、ベトナム、インドネシア、日本そして中国にすでに類似サービスが存在しています。数は約20社にのぼります。しかし、いまだにそれらのサービスで市場の過半数を占めるサービスは存在していません。つまり、競合がいない市場であるということで、Rushbikeが市場における主導権を握る可能性が高いことを示唆しています。また、今後そういった状況下でサービスを成功させていくための鍵として(1)顧客との良好な関係づくり(2)高い技術力(3)高い質のサービス(4)スピードは遅くとも着実にビジネスを右上がりに持続していく力 という要因が必要不可欠になっていくと考えています。

現在、わたしたちはタイ国内25県で1000台以上のオートバイ、20台の大型乗用車にサービスを提供しています。もちろん、すべてに一貫したサービスの質の高さと安全面での信頼性を保証しています。現在の東南アジアにおいて、これほどの台数の配達手段と巨大な供給網があるのはわたしたちのサービスだけです。

ー今後どのようにビジネスを拡大していきたいですか?

【K】東南アジアを中心にビジネスを拡大していきます。具体的にベトナム、フィリピン、インドネシアなどのタイに似たオートバイが人々の日常に強く根付いている場所です。これらの需要がある国にサービスを拡大して、東南アジア全体の基盤を固めていきたいです。

また、今後e−Commerceが拡大することが予測されており、企業のロジスティクスに対して精緻な物流ラインを確保することが重要視されていきます。このような市場にも対応できるように、オートバイ以外の物流手段に対応していくことを考えています。既存の交通網の許容量をサポートしつつ、改善策できるようなサービスにしていきたいです。

ー今年制定されるAECがもたらす経済効果とRushbikeへの影響についてはどのように考えていますか?

【K】AECが掲げる指針のひとつに、2015年はASEAN地域内の貿易自由化(市場の単一化)というものがあります。具体的にこれは物質的な商品やサービス、投資や熟練労働者といったヒト・モノ・カネをASEAN地域内で円滑にしようという動きです。 これらが制定されることで、関税が撤廃されます。その結果、企業、消費者の消費意欲が高まり、市場経済の循環が活性化すると予測されています。また、ASEAN諸国には製造系関連の工場が多いので、陸続きで移送可能となれば、それらの部品を安い価格で手に入れることが可能になります。 こういった背景により、今後東南アジアの企業から柔軟に対応できるロジスティクスへの需要が高まると予想されます。つまり、Rushbikeにとってとても大きな機会であります。

 

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