ランドリーサービスの機能を備えた次世代のロッカーボックス「Washbox24」 | Techsauce

ランドリーサービスの機能を備えた次世代のロッカーボックス「Washbox24」

Washbox2 WashBox24 CEO Bond Thaiyanurak氏

 

都心部に住むビジネスマンにとってランドリーサービスは生活における必需品だ。その反面、既存のランドリーショップでは時間の融通が利かなかったり、ひどい時には衣類を無くされてしまうこともある。WashBox24はロッカーボックスを活用することでそれらの問題を解決した、全く新しいビジネスモデルのスタートアップだ。

ー自己紹介と簡単な経歴を教えてください。

わたしはBond Thaiyanurakと申します。現在WashBox24というビジネスを運営しており、それを始める前は複数の企業で主にファイナンスやマーケティングを行っていました。具体的に、外資系コンサルティング企業のKPMGでM&Aに関するマーケットサイズやプロジェクトの査定を行っていました。後に転職をして、TESCO本社のマーケットリサーチ部署で8年間、企業戦略に関するリサーチやチームマネジメントを行っていました。

ー現在運営されているロッカーボックスを利用したランドリーサービスWashBox24はどのような経緯で行う事になったのでしょうか?

実は、わたし自身の体験が基となっています。先ほどお伝えしたように企業に何年間か勤めていたのですが、キャリアポジションが高くなればなるほど仕事が忙しくなり、私生活に費やせる時間が少なくなっていました。特に毎日行う家事は休みの日にまとめてしたり、またランドリーサービスを活用していました。しかし、仕事が終わる時間が不規則なため、家の近くのランドリーショップの営業時間内に洋服を持ち込めないことが頻繁にありました。それにより、翌日の会議に着ていくジャケットが汚れてしまっても洗えずに困ることも。それ以外にも、自分の大切な洋服の洗濯をお願いすると、靴下やTシャツが無くなることが頻繁にありました。スタッフの不注意という理由で片付けられてしまい、お気に入りの衣類が手元に返ってくることはありませんでした。

こういった自身の体験から、ランドリーサービスが本来持つべきカタチである、顧客の都合に応じていつでも対応できる「柔軟性」と受け付けた衣類の管理を説明できるような「透明性」が必要であると感じました。

WashBox24はそういった部分にフォーカスした機能づくりを意識しました。サービス自体はとてもシンプルで、顧客は24時間いつでも対応可能なロッカーボックスに衣類を入れておけば、洗濯が完了するというものです。また、先述した衣類の紛失に対しても「クローズトラッキングテクノロジー」を導入しています。これは衣類の一つ一つの所在地を追跡することができるサービスです。

これらの機能を備えることでこれまで多くの人々が抱えていた悩みを解決して、彼らの生活をより豊かにできます。

Washbox1

WashBox24の使い方や値段ついてより詳しく教えていただけますか?

WashBox24はアジアにおける最初のロッカーを使ったランドリーサービスです。使い方はとても簡単です。まず、専用のアプリケーションをダウンロードしてサインアップして頂きます。そしてご自身の最寄りのロッカーボックスに衣類を入れて、洗濯完了後はアプリでお知らせしますので、ご自身の望む方法で洋服を引き取っていただければ完了です。わたしたちのロッカーとアプリケーションが依頼されたお仕事をすべて引き受けます。衣類の洗濯も最低20バーツからはじめられます。

ーバンコクのマーケットサイズはどうお考えですか?

バンコクはとても大きな市場を持っています。わたしたちのリサーチでは10,000店ものランドリーショップがバンコクには展開されており、そのマーケットサイズはおよそ2億ドルを見積ることが可能です。わたしたちのサービスの主なターゲットは、都市に住む人々です。現在(※2015年3月時点)全部で34のロッカーがありますが、そのほとんどは都心部で交通網の利便性が高い場所に置いています。

Washbox3

WashBox24は他のスタートアップと違いハードウェアの導入についても考える必要があると思いますが、サービスの拡大はどのようにしていきますか?

言うまでもなく、ハードウェアという領域はあらゆるスタートアップが参入を強く望まないです。その理由として、初期投資がかかるという点、また専門的な知識を十分に備えたエンジニアが必要とされるからです。なので、ビジネスを拡大するということはわたしたちにとってかなりの挑戦であり、その方法は常に考えています。

現在のビジネスモデルはフランチャイズ方式です。具体的に、コンドミニアムやアパートメントなど、ロッカーを設置できる場所を持つオーナーが対象です。一度ロッカーを設置していただければ、洗濯や顧客からの支払い管理まですべてわたしたちが受け持つので、オーナーは何もせずに全体の収益の30%を毎月得ることができます。

フランチャイズ方式はWashBox24のローンチからわずか18ヶ月で34箇所に拡大するのにとても効果的な方法でした。サービスを導入したいというクライアントのデータもとても興味深く、彼らのほとんどが、自分でビジネスを始めたい意思はあるけれど、主導となり運営するのは避けたいというサラリーマンかサラリーウーマンでした。

サービスを知った人から、わたしたちは彼らの投資から収益はあまり得ていないようにみえるがそれでもいいのか?と言われますが、わたしたちは自分のサービスが誰かのためになっている事実だけをとても喜ばしく感じています。

Washbox4

Seedstars World(Thailand)で優勝されたと思いますが、その体験談をおしえていただけますか?

わたしがそのイベントの存在を知ったのは開催日からほんの数日前でした。実は公式のコンペティションでピッチをしたのはその時が初めてで、とっても緊張しましたが楽しみながら臨むことができ、結果的に優勝につながりました。しかし、わたしが何より幸運だと思ったのは、優勝がきっかけとなり、WashBox24がメディアに取り上げられ、多くのひとからの認知度を挙げられた事でした。この最高の優勝景品は予想ができませんでした。

ースタートアップを始める際に一番大変だったことは何ですか?またそれをどう乗り越えたかを教えて下さい。

スタートアップにおいて最も大きなチャレンジは、顧客や投資家といったビジネスを続けていく上で大きな鍵となるステークホルダーたちとどのように付き合っていくかだと考えています。彼らに向けて、ビジネスをより良くするためのアイディアを練ったり、最良の施策を取っていかねばなりません。その為には、短い時間や期間で、正しい選択を行う精度も上げることが必須です。なので、常日頃から楽しく学び続ける姿勢が大切だと思います。

ータイの新規スタートアップに向けて、ビジネスを成功させるためのアドバイスはありますか?

わたしからアドバイスを送るとしたら「何が起きても楽しもうと思うことを忘れないでほしい」ですね。スタートアップをはじめるにあたって、問題や障害は必ず付き物ですから、そういうときは辛いと思うのでなく、少しでも楽しもう!と切り替えてみてください。わたしは常に自分の選択する方向にはポジティブなことが起きると信じています。自分を信じて楽しもうとすることを忘れないで下さい。

ータイの次はどこに進出しますか?

わたしたちのサービスはロッカーとスマートフォンアプリケーションさえあればどこでも運営できます。今後は、WashBox24をオフィス街があり、スマートフォンの使用率が高い都市に広めていこうと考えています。例えば、シンガポール、クアラルンプール、香港、東京や韓国などですね。アジアを中心にサービスを拡大していきます。

[English Article]

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